落ち込みや仕事での失敗、イライラ、社会人になると日々色々なことがあるし気分の上下は日常的に経験することです。多くの人は気分の上下やイライラを自分なりの方法でうまくコントロールしながらも切り抜けています。
私は大学を卒業した後、警察官として勤務してきました。警察の仕事はいつ、どんな事件が起こるかも分からず、時には理不尽な現場や人と接することも多くストレスやイライラ、不安などの気分の上下も大きな仕事でしたが自分なりに警察の仕事にやりがいを見出してきついながらも充実して過ごしていました。
ところが私の人生の転機となったのは適応障害を発症して仕事を休職したという出来事です。ある部署への異動を期に仕事でのミス が多くなり出して、ストレス量が増えだしてきたことがきっかけとなり、今までは自分なりに対処できていた「イヤな気分」がどうしてもなくならず、長引いてしまったことで心身に不調をきたし、勤務ができなくなったことで適応障害になり、それから2年半も休職することになってしまったのでした。
私が適応障害で休職することになった経緯については以下にあります
私が適応障害になったことが人生の転機となりました。実は私にはADHDという発達障害の1種を生まれつき持っており、発達障害の特性として注意することが苦手なため、いくら注意を傾けてもミスを連発するとか集中力を持続させるのが難しいので話を聞き漏らすなどの苦手なことがたくさんあったのです。
私は休職した当初はなぜ自分がこんなに辛い思いをすることになってしまったのか、適応障害になってしまったのかの正体が分からずにずっとモヤモヤしていました。
どんなに努力しても一向にミスが減らない、人の話を集中して聞くことができない、電話の内容を聞き取れない、
自分では最大限の努力をしているのになぜかできない、そんな自分を責めてしまい、自分のことを
自分は努力もできないダメな人間だ、生きていても価値が全くないだめな奴だ
と自分で自分を苦しめ、そしてできない理由が全く分からないという窒息しそうなどん底の状態で苦しい状態でした。
でも、できない原因が実はADHDにあったということが分かってきたことで苦しみの原因を突き止めることができたことが人生のターニングポイントになりました。
落ち込み経験
私は適応障害を発症したことで2年半も仕事ができない状態になり、発達に凸凹があるということも分かりました。発達の凸凹があることで対人関係でうまくいかなかったり、仕事や学業面で悩むことがたくさんありました。
「自分では精一杯努力しているんだけど、なぜか他の人と同じことができない。」それでも他の人に自分の短所や欠点を見せないように必死に隠そうとしてきました。適応障害を発症した時は自分の短所を隠すことに疲れてしまってダウンしてしまったのでした。
発達の凸凹があるということが休職して判明したことで私は今までうまくいかなかった理由がはっきりと分かり、救われる気持ちになりました。
私のように生きづらさの正体が分かりすっきりする人もいれば分からずに謎の苦しみを抱えて生きている人もいます。
対人関係がうまくいかなかったり、家庭での居場所がなかったり、空気が読めないために職場や学校で居づらくなってしまったり。そうなっている場合、自分を認めてくれる環境がありません。そうなると、「自分はここにいてはいけない人間なんだ、迷惑ばかりかけていて自分はどうしようもなくダメな人間なんだ。」と思うようになってしまいます。
私のように他人の目や評価ばかりを気にしている人、自分はダメな人間だと思って行動している人間は、周りから見たらグズグズしているように見えます。そうなると余計周りの人間は私のような人間にイライラしてしまい、ますます居場所がなくなっていってしまいます。
私の場合は幼い頃から家庭でも学校でも発達の凸凹の特性があるために周りをイラつかせてきたため、自分の居場所がなく、発想や物事の感じ方、捉え方がネガティブで人に何かしてもらったり、言われた時も「自分は何をやってもダメだとか、嫌みでこんなことを言ってくるんだろうな」とかねじ曲がった認知で生きてきました。そうして大人になって対人関係や仕事面での今までの物事の捉え方で対処しきれない量のストレスが身に降りかかった時に適応障害になって仕事から離脱することになってしまったのでした。
挫折を経験したからこその長所がある
私は適応障害でどん底に落ち、そこで自身に発達の凸凹があることが判明したことがきっかけで自分の人生を振り返ることができるようになりました。
一時的な嫌な気分や落ち込みぐらいなら生活や仕事にそれほどの影響はありませんが、一旦うつ病や適応障害にまでなってしまうと回復するまでに数か月、年単位の時間がかかります。私のように休職を選択したり、すぐに復職をしたり、退職をしたりと環境に大きな変化が起こります。
私を含め、多くのうつ病や適応障害を経験した多くの人が「元の自分に戻りたい」「病気になる前と同じ状態に戻りたい」と思っています。
しかし、元の状態に戻るということは無理なことです。
うつや適応障害になって「自分は元気な時の自分よりも劣っている」という考えがあるから元の状態に戻りたいと思う人が多いのだと思いますが、その考えは間違っていると言いたいです。
うつや適応障害になったからこそ分かること、変わったことというもあります。
うつや適応障害になるということは自分の弱さやを受け入れるきっかけになり、それがむしろ強みになっていくことなのです。自分だけでなく、他人の失敗や弱さにも共感して受け止められるようになり、人の痛みが分かるようになることで可能性が広まっていくきっかけになるのだと思います。
振り返ると警察時代は人の弱さや傷ついた他人の気持ちに寄り添うことができていなかったと思います。悪いことをした人を捕まえることが仕事ですので視野が狭く、人の辛さに向き合うことができていなかったのかもしれないです。それが私自身、適応障害になったことで辛い思いをしている人、傷ついた人の心情も考えることができるようになったのかなと思います。
人の落ち込みや辛さを味わった体験というものはそれだけの可能性があり、落ち込みの経験は自分を育てる力があるなと思い直すことができたので私は今では適応障害になり、ADHDの診断を受けて本当に良かったと思っています。
考え方を捉え方を変えるために
私自身、適応障害になるまでの約30年間、自分の軸ではなく他人の目や評価を気にして生きてきました。自分がどう考えるのかよりも上司はどう思っているのかな、先生はどう思っているのかばかりを気にして自分の意思や意見は後回しにして生きてきました。そんなわけでずっと毎日、何とも言葉にできない不安を感じながら過ごしていきたので生きづらかったです。
それが適応障害を経験し、その後にADHDがあることも判明し、今までの考え方や生き方を変えていこうと考えを変え、警察を退職するという決断をしました。
今回の記事を書くにあたり本を一冊紹介させて頂きます。
イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のススメです。
著者は元自衛官で在職中にうつ病になり、その経験がきっかけで考え方が変わり、そこから臨床心理士になったという経歴の方です。
一度、挫折を経験した人だからこそ持っている他の人にはない独自の強み、人の意見に振り回されず、自分軸で生きていくためのヒントになることが紹介されているので今、生きづらい、考え方を変えたいと思っている方は一度手に取って読んでみることをおススメします。
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