元警視庁・警察官のはやぽん(@hayapon_adhd)です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
警察官として採用されると警察学校に入ります。
警察学校卒業後は警察署(交番勤務)に配属になります。
交番勤務は・・・・
- 地域住民と最も身近な所で勤務する警察の顔
- 警察学校を卒業すると配属される警察業務の原点の場所
- 地域住民とのコミュニケーションが大事
- 制服で仕事をしていると常に見られていて気が抜けない
業務としては多岐に渡り、通報があればまずは交番勤務の警察官が現場に向かうのであらゆる警察業務を経験することになる基本であり、原点の部署です。
先輩と行動を共にしながら技を盗みながら経験を積んで成長することができます。
交番で取り締まりやパトロールで泥棒を検挙して成績を残すことができれば白バイ隊員や刑事などの専門部署への道も開けます。
今回の記事では、私の経験を振り返って交番ではどのような仕事をしているのか紹介していきたいと思います。
※警察の仕事がどんなものなのか興味ある方へ参考図書として本を紹介しています。よろしかったら読んでみてください。
交番勤務(日勤)の一日
警視庁の場合、交番勤務は4交代制といって4日に1回夜勤があります。※警視庁以外の警察では3日に1回です。
交番に到着するまでのタイムスケジュール
勤務の基本時間は8時30分~17時15分。お昼休憩1時間。
なんですけどね、警察官の朝は早いです。
6時30分:
道場に入り、道場内の清掃(→下っ端の役目)
朝早いですけど、警察学校を卒業してすぐは基本、警察署の独身寮にすむことになるので(私のいた警察署は署の上のフロアが寮でした)通勤時間は完全に0分でしたので、そこは恵まれてました。
7時00分:
柔道か剣道の練習(入庁時に柔道か剣道どちらかを選択。退職まで変更しない人がほとんど)
8時00分:
練習終了。15分で柔道の訓練で汗だくになった体をシャワーで急いで洗い流し、着替える。
8時15分:
①警察署の金庫に保管している拳銃や無線機、交通切符など若手が上司立ち合いの元で数十人分の装備品を金庫室から出庫し、手分けして搬出する。
※ちなみに装備品めちゃくちゃ多いんですよ・・・。
②先輩や同僚の配布物を机に配る。
③朝礼が行われる会議室の清掃・机の整頓をする。
①〜③を15分で下っ端で手分けをして終わらせなくてはいけません。
これ、かなり時間がタイト(T_T)
ここで警察学校での訓練の成果が発揮!!
みんな鍛えられてるのでこれはテキパキとこなせました。
着替えがあるからといって遅れることは許されなかった警察学校。
警察学校の時にあれだけ時間に厳しかったのは署に出たときのためだったんですね。
8時30分:
朝礼。
朝礼後、各交番へ向かいます。
交番までは地域警察官用の自転車(通称白チャリ)で向かいます。(遠方の場合は交番備え付けのパトカーや原付バイクで行く場合もあります)
9時00分:
交番に到着。
到着後は前日の勤務員(夜勤の勤務員)から引き継ぎを受けます。
昨日はどのような事件や訪問者があったのか、交番内の施設の損傷や備品の数に変わりはないかとか話を聞き、備品は目視で点検します。
引継ぎが終わったら一日の仕事がスタートします。
交番つく頃には半日稼働したかのような疲れが・・・笑
警察官は体力勝負!!
交番到着後の勤務内容
パトロールや交通違反の取り締まりや巡回連絡(※巡回連絡については後程説明)などを行います。
交通事故や事故が入ればその対応をします。
私の勤務していた交番では大きな幹線道路が受け持ち区にあったので、交通事故の通報がよく入り、交通事故の対応が多かったです。
ADHDを持っている私は基本、じっとしていることが大の苦手で座っていることが嫌いでしたので事故や事件で現場に行って対応するのは刺激的で充実していました。
※刺激的って・・・ちょっと不謹慎ですね。すみません・・・。
一度として同じ現場はないので、新しい刺激を求めて行動する多動性が強い私にとって交番勤務は、やりがいを感じていました。
午前中に大体1件か2件くらいは事故処理をしていました。
処理もひと段落したら昼食を取ります。
昼は交番近くのそば屋さんか定食屋さんで出前を頼むか、近くのコンビニへ防犯パトロールを兼ねてお弁当を買い出しに行くことが多かったです。
以前はコンビニへ制服で買い物に行くことがダメでしたが、私が警察官になったくらいからはパトロールの一環で制服での買い物もOKになりました。
いくら制服で買い物していいからといってお菓子とかアイスはダメだぞ!
制服の警察官はとても目立つから市民の見本にならなきゃいけないからな!
その辺はバランス感覚を持って行動するんだぞ!!
はい!!!!分かりました!!
お菓子やアイスって・・・。
小学生かっ(笑)
16時00分:
夜勤勤務の同僚が交番に到着するので、引き継ぎをし、片付け・掃除をし、警察署に戻ります。
警察署に到着し、装備品の返却・片付けをします。
翌日の指示を受ける頃には、ちょうど17時15分ぐらいになるので、解散(退勤)となります。
交番の仕事1(落とし物、道案内)
地域住民の安全を守るのが交番勤務の地域警察官の役目です。
昼夜関係なく、落とし物や拾得物の受理をします。
特に駅前や繁華街、大きな道路沿いの交番だと深夜や明け方は落とし物の届け出が多かった記憶があります。
拾得物の処理は書類に手書きで作成し、受理後はパソコンで登録するのですが、この作業が地味に時間がかかり、手間がかかります。
事務処理が苦手で適応障害になった私ですけど、この事務処理はなんとかできていたんだなぁ。
新人だったので、先輩にかなり念入りに確認してもらっていましたけどね。
財布が届けられた場合は、拾ってくれた人の目の前で中身を確認して金額を1円単位で確認します。
届けてもらってから2か月を経過しても落とし主が出てこなかったときは拾った人がその財布の所有権を取得できます。
金額が1円でも間違えていたら、大きなトラブルや警察の信用問題に発展する可能性があるので財布が届けられた時はものすごく緊張していました。
財布、届いていて本当に助かりました。
もうどうしたらいいか不安で不安で。
届けてくれる人がいたなんて、本当ありがたいです。
と安心して帰っていく人のホッとした表情を見るのは交番勤務のやりがいのひとつでした。
自分が処理、担当した仕事で誰かが救われた気がして何ともいえない瞬間でした。
交番の仕事2(110番通報への対応)
2つ目の交番業務は110番通報への対応です。
交番の管轄区域で入った110番は交番勤務の警察官が対応し、場合によっては近くを走っているパトカーも応援に駆け付けます。
110番通報は、最初はその県の警察本部(東京は警視庁)の通信指令室が110番を受理し、その後各警察署の無線室に出動の指令を出します。
警察署の無線室から通報場所の住所の管轄交番へ内線電話か携帯用の無線機で連絡するという流れです。
警察官各個人で警察本部の無線指令を聞くことができる受令機という機械を常にイヤホンで聞いていて、いつ通報が入っても動けるように備えています。
管轄区域で通報が入った時は毎回とても緊張します。
通報の内容はいろいろあります。
- 交通事故
- 酔っ払いのケンカ
- 万引きなどの盗難被害
- 痴漢や変質者の目撃情報
- 家出人や行方不明者の捜索要請
通報内容は様々で、一度として同じ現場はありませんでした。
どんな通報内容であっても通報者は何か困っていて通報しているのだから通報の対応はいつも真剣勝負でした。
警察学校を卒業して日が浅い新人の時の私は現場に行っても何をしていいか分からず、どう動けばいいのかわかりませんでした。
そんな中でも先輩や上司から怒られながらも仕事ぶりを見ながら経験を積んでいきました。
交番の仕事3(巡回連絡)
巡回連絡とは
- 交番が管轄する近隣の家庭を個別に訪問し、住民の困りごとや警察への要望を直接面接で確認する
- 住民の家族構成や緊急時の連絡先を確認すること
交番が受け持つ世帯を一軒ずつ家庭訪問して、緊急時の連絡先、家族構成などの情報収集をしていきます。
緊急時の連絡先を確認するということが警察の業務にとって、とても重要です。
万が一、住民が事件や事故に遭った際、事故などに遭われた方の家族に警察から連絡をすることができます。
この情報がないと家族の方に連絡する手段がないというのが現状なんです・・。
確認した個人情報は巡回連絡の帳簿に記載して、鍵のかかる金庫に保管しています。
警察官が個人情報の記載を求めて家を訪ねてきたとき、協力していただけると助かります。
巡回連絡で必要になるスキルがコミュニケーション能力です。
訪問する家はほぼ初対面の人なので、相手と信頼関係を築くことが難しかったです。
元自動車販売のセールスマンだった先輩はこの巡回連絡がすごく上手でした。
この先輩は地域住民から様々な情報を聞き出し、地域の隅々のことまでよく知っていました。
この地域住民とのコミュニケーションスキル、素晴らしかったです。
私もこのスキルを身に着けたいと横で一生懸命、聞いていました。
でもでも、未だに身についていないなぁ・・・。
コミュニケーション苦手さんの私。
交番の仕事4(パトロール)
パトロールの目的は大体こんな感じです。
- 犯罪の予防
- 不審者の発見
- 交通取り締まり
- 制服の姿を見せることによる安心感をアピール
制服の警察官が街頭にいるだけで犯罪の予防になることもあるし、住民へ安心感を感じてもらうこともできます。
制服を着ていると常に誰かに見られているという意識が高まります。
ぼーっと漫然としているだけでは安心感も与えられませんし、不審者も発見できません。
常に緊張感をもち、目を光らせていました。
だからその癖で変なところばかり見てしまうんです。
目線が他の人と違うんだと思います。
その変な目つきのせいで警察官になってから、職務質問受けたことあります(笑)
交番勤務(夜勤)の一日
警視庁は15時30分〜次の日の朝まで勤務。
他県の警察は勤務は朝の8時30分から24時間勤務です。
15時00分:
警察署に出勤。
着替えを済ませて無線機、拳銃などの装備品を金庫室から上司立ち合いの元、搬出。
出勤から出発までは日勤の日とあまり変わりがありません。
夜勤の日は柔道、剣道の訓練がないです。
15時30分:
全員が集合、勤務上の指示を受けたあと担当の交番へ出発。
16時00分:
交番に到着。
日勤の同僚から引き継ぎを受けます。
仮眠時間も設定されていますが、大体何らかの110番通報が入っていたので交番で仮眠できた経験はあまりありませんでした。
こんな通報してくる人もいます。
通報してくる人は何かに困っている人たちなので、どんな小さいと思えることでも緊張感を持って現場に向かっています。
どんな通報でも状況を確認して事件性がないかを確認する必要があります。
しかーし!!!
仮眠を切り上げて向かった通報でイラっとしてしまうような内容で通報してくる人も中にはいました。
あのー、玄関の前にネズミが出て怖いんですけど、来てくれませんか
ほとんどが事故や事件で本当に困っている人の訴えなのですが、ネズミが出たからと110番通報してくる人もいます。
色々思うことはありますが、どんな人にも親身に仕事をする役目がありますのでこういった人には顔は真剣になりながらも感情のスイッチを切りながら仕事をしていました。
いちいち腹を立てていたり、感情を動かされたら警察官としてはやっていけませんからアンガーマネジメントは警察官の必須スキルですね。
世の中、本当にいろんな人がいますので・・・。
さいごに
私は結構ミスも多く、先輩にきつい指導をされることも多かったですが、何だかんだでよく面倒をみてもらっていました。
少しドジを踏んでも、前向きに元気に取り組んでいれば先輩も愛情を持って指導をしてくれます。
警察はとても上下関係が厳しいです。
先輩との人間関係次第で仕事のやりやすさも関係してくるので目上の人への礼儀や挨拶はとても重要になります。
礼儀と前向きさを忘れないことが大切だなと思ってます。
これから警察官を目指す方や警察の業務に興味を持ってくれてる人の参考になれば幸いです。
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