はやぽん(@hayapon_adhd)です。
警察官として採用されると全員が全寮制の「警察学校」で警察官としての基本を集団生活を通して身に着けることになります。
警察学校では勤務に必要な法律や一般教養などを学びます。
期間は高卒者は10ヶ月、大卒者は6ヶ月です。
私は大卒でしたので、6ヶ月間(懲役6ヶ月w)でした。
3ヶ月目に実際の交番での実務研修(仮出所w)があります。
6ヶ月間の訓練を終了すると晴れて警察学校卒業(本出所w)となります。
警察学校を卒業すると警察署の地域課に配属されて交番勤務に従事することになります。
厳しい警察学校で5キロ痩せました。
警察学校ダイエットできました(笑)
今回はそんなきつかった警察学校についてのお話です。
警察学校での1日の流れ
6:30の起床、22:30消灯です。
授業は8:30~のホームルームに続いて5時限目まであり、1時限は80分です。
- 6:30 起床 起床後、すぐにグラウンドに集合します
- 7:00 朝食
- 8:30 ホームルーム
- 9:00 第1時限授業
- 10:30 第2時限授業
- 11:50 昼食休憩
- 12:50 第3時限授業
- 14:20 第4時限授業
- 15:50第5時限(5限目はクラブ活動やランニングや筋トレなどの自主練)
- 17:15~授業終了後(夕食や入浴)
- 20:00~22:00自習時間
- 22:00点呼
- 22:30就寝
※私が入校していたときのスケジュールです。
場所によっては多少ずれることがあるかもしれません。
食事は食堂で3食食べないといけません
バランスのとれた食事が用意されています。1食300円ぐらいです。
納豆や卵を食べたい人は追加料金を払って食べられます。
チャージ式の食券で購入します。
朝昼晩の3食、食堂で食べないといけません。
警察学校内にも日用品、お菓子、パンなどが購入できる売店がありますが、売店で買ったパンなどで済ませたりすると怒られます!!
たまに食券カードの抜き打ち検査があるんです。(^o^;
食べるものまで管理されてます!
柔道・剣道の訓練、座学のスケジュールがおかしい
警察学校の授業は制服で受けることになっています。
体育の授業や柔道、剣道の授業の時は自室で制服から体操着や柔道着に着替えてから授業場所に移動します。
「着替えは自室でする」というルールがあったので着替えが必要な授業は毎回大変でした。
授業と授業の間の休み時間は10分!
この10分で移動と着替えを終わらせないといけません!
着替えがあったからといって遅刻は許されないという鬼ルール(T_T)
座学⇛柔道⇛座学という授業の場合:
授業があった教室のある建物から50メートル離れている寮のある建物ダッシュ!
⇓
自室のある6階まで階段を駆け上がり、制服を脱いで、柔道着に着替えて脱いだ制服をクローゼットにかける。貴重品は鍵のかかるデスクへ入れ、施錠、部屋の戸締りを確認して階段をダッシュ!
⇓
寮のある建物から50メートル離れている道場のあるトレーニング棟4階までダッシュ!
⇓
柔道後に、トレーニング棟4階から寮のある建物までダッシュ!
⇓
寮の6階で柔道着⇛制服に着替え、戸締まりをして階段をダッシュ!
⇓
授業のある建物までダッシュ!
えっ?!なにこれ・・・。
移動や着替えがあるときはいつも汗だくでした。
時間割の構成はいじめなんじゃないかと思ってました。
着替えが少なく済むように時間割を組むことできますからね。
ダッシュで移動している間も教官たちが鋭い目を光らせて部屋の整頓や施錠を確認しに寮内を確認しているので、気を抜いている隙がありません!!
なんとも緊張感のある世界!!
よくやってたなぁ。
寮にはエレベーターがありましたが、原則使用禁止でした。
警察学校で骨の髄まで教育されること
1.集団生活
朝起きてから夜寝るまで集団行動です。
食堂に食べに行く時も班単位で行動、週末に外出する時も班単位で行動でした。
警察学校では外出する時はスーツ着用厳守です。
スポーツ刈り、坊主頭で体格の良いお兄さんたちが4~5人くらいで街中を歩いているのを見たら、その人たちは警察学校の学生かもしれません(笑)
2.協調性
警察では日々起こる様々な事案や事件にいつでも対応できるように様々な役割や専門知識を持った人たちがチームを組んで仕事に就いています。
そのため、警察学校では訓練や授業、食事や掃除など日常のあらゆる場面で協調性を求められ、団体での協調性に重点を置いて教育されます。
3.規律
警察は危険がつきまとう職務の性格上、強い規律が求められます。
それは仕事中はもちろんですが、私生活でも規律に従うことが求められます。
緊急時の呼び出しに備えて旅行する時は、行き先や連絡先を明確にし、予め予定を報告すること、
飲み会の時も場所や時間、店の名前、予定帰宅時間など上司に報告することが求められます。
警察学校ではどんな細かい事でも教官に確認、報告が求められます。
土日は訓練、授業も休みなので外出ができるのですが、あらかじめ教官に誰と、どこに行って、何をして何時に帰ってくるのか行動予定を報告しておく必要があります。
出かける先もどこにでも行っていいわけではなく、ここまでしか行ってはいけないという決められた範囲があります。
許可された範囲を超えて土日に数人でお出かけした同期がいました。
昨日のスパ気持ちよかったなぁ。
ん?スパ??
お前昨日どこ行ったんだ?
行っていい範囲にスパなんかあったか??
しまった・・・。
うっかり口を滑らせた1名の同期。
教官の目の奥がきらりと光りました。
刑事経験のある教官の目はごまかせませんでした。
誰と行っていたのか詰め寄られ、白状する同期。
一緒に同行していた数人が分かると、教官にそれぞれ別室に連行され、取り調べ。
その後、教官からめちゃくちゃおこられ、罰として教官の雑用係(教官の部屋の掃除や、授業の準備(備品を倉庫から持ってくるなど))を命ぜられました。これは教官の許しが出るまで継続です。
反省文を書かされたのは言うまでもありません。
4.服装
警察官の装備品は非常にたくさんです。
けん銃から警棒、手錠、無線機、警察手帳、これらの装備品をしっかり携帯しているか、定められた通りの制服の着こなしをしているか定期的に点検されます。
これは過去の大規模な学生デモや集団警備の時の経験を反省して特に強化されて指導されているところです。
一人の服装が乱れていたり、装備品が定められた通りの方法で携帯していなかったり、紛失していたりするとそこが重点的に狙われて部隊が崩壊する原因となってしまいます。
警察学校では服装や装備品の着こなしから使いかたまで、徹底的に基本から教育することで一致団結した部隊活動ができるように集団行動を基本に教えこまれます。
5.時間厳守
起きてから寝るまで分単位でスケジュールが決まっています。政治家並(笑)
1秒でも遅れたら連帯責任で後でペナルティが待っています。
私は数秒集合時間に遅れただけで週末の外出がお預けになり、何回も反省文を書かされました。
警察学校時代に徹底的に管理を教え込まれたおかげでその後の仕事で遅刻したりすることはしませんでした。
ADHDの私が時間を厳守できていたのはこの訓練のタマモノですね。
仕事では遅刻したことないのですが、祖母のお葬式の時間を勘違いして遅刻し、あやうく出棺に間に合わないところだった、という経験はあります(^o^;
6.整理整頓
警察官の装備品はどれもなくしてしまうと悪用されるおそれのある危険性があるものです。
そのため日頃から持ち物は整理しておくように指導されています。
授業中は自室の部屋を施錠して貴重品や装備品も鍵のかかるデスクに鍵をかけてしまっておくよう指導されています。
そして、学生の授業中に教官たちが抜き打ちで部屋の整理の状況と施錠を確認しに回っています。
鍵をかけるのを忘れていたり、部屋の中が散らかっていたりすると、教官に呼び出され、個室でびっちり長々とお説教されます。
刑事仕込の教官に詰め寄られるのはかなりの恐怖がありました。取調官と被疑者の構図(笑)
7.金銭管理
お小遣い帳を付けさせられ、1円単位で教官に管理されてました。
金銭管理が致命的に苦手でしたが、自分が失敗していることは同期も同じように注意されているし、団結力みたいのでなんだかんだで乗り切ることができました。
でもでも、金銭管理は今だに苦手です。
今は妻にがっちり管理してもらってます。
お金の計算できません!!
8.自己管理
徹底的に管理されたことで、ある程度身の回りのことはこなせる生活力や自己管理力は身に着けることは出来ました。
ADHDの私、とっても紛失物が多いです。
でも奇跡的に警察からの装備品をなくさずに退職の日を迎えることができました。
本当、訓練のタマモノです。
辛かったけど、厳しくしてもらって今は感謝しています。
警察学校入校後、買わなくてはいけなかったもの
警察学校に入校すると、いろいろなものを強制的に買わされます。
何が足りないかとか、どれがいいかとかは聞かれません!!
選択する権利はありません(笑)
唯一聞かれたのは服のサイズぐらいです。
大学卒業してすぐでお金もない時期なので、出費が痛かった・・・。
総額5〜6万円ぐらいだったかな?
ADHDで浪費家でお金の管理が壊滅的な私は詳細な金額は覚えてません。。。。。
言われるがまま払った記憶・・・。
お世話になった教官に当時のことを聞いてみました
私が警察を辞める直前に担当の教官に退職の挨拶の電話をました。
当時の私の状況について担当の教官に話を聞いてみました。
人の指示を早とちりして突っ走ってしまったり、不注意の特性から注意力を持続できない、私のような発達障害っぽい人がいたらどう接しますか?
警察官になってその先、壁にぶち当たるんじゃないかと思う。
なので、20代のうちならやり直しがきくので、さりげなく別の道を示して警察官を辞めさせると思う。
それが優しさだと思っている。
発達障害っぽい人は今までいましたか?
思い返してみると、教官時代にこの子は厳しいなと思った子は発達障害だったんじゃないかと思う。
発達障害という言葉を知っていたが、実際に診断を受けた人と話すのは初めてだよ。
私の当時の印象はどうでしたか??
お前は最初はとろいし、物覚えも悪かった。
周囲の人間と比べて浮いてしまっていたのでこのままじゃあ辞めさせるしかないかなと思っていたよ。
でも、卒業直前には協調性も身についてきて厳しい指導にもついてこれるようになってきたからこいつなら警察官としてやっていけるだろうと判断したんだよ。
本当に教官には感謝です。
警察を辞めてしまいましたが、将来性を見込んで卒業させてくれたことには感謝しかありません。
警察学校に入校した直後はあまりの厳しい指導に辞めていく同期が続出し、
「とんでもないところにきてしまった」
と戦々恐々としていましたが、退職直前に教官に話を伺うことができ厳しさの裏には本当のやさしさがあるのだということを知ることができました。
コメント
僕の知り合いが某機動隊の署長なのですが、隊員さんが何人か自殺されました。
やはり機動隊は更に厳しいのでしょうか?
記事へのコメント、ありがとうございます。
私も4年間機動隊で勤務していましたので、私の感想についてお答えします。
機動隊は災害派遣や集団での警備等が主な任務なので、他の部署よりも危険性が高く、その分集団行動や協調性が強く求められます。
一人が指示を守らなかったり、周りから外れている動きをしているとそこからチームが崩壊してしまうきっかけになるので先輩や上司からの指導も厳しいです。
警察学校での指導も厳しいですが、命を取られたり、けがをすることはまずありません。いざとなれば教官が学生を守ってくれますし基本学生が現場で部隊活動をすることはありません。
しかし、機動隊となると実際にけがをしたり、最悪、命に関わる現場もあるので学校とは違った意味で指導も厳しくなるのだと思います。
人間関係も閉鎖的になりがちで若手隊員に何か悩みがあっても相談できる人も限られてしまいがちです。私も新隊員の時は厳しい指導を受けて悩んだりしたことがありましたが、幸い同期に恵まれていたのであまり
精神的に抱えることはありませんでした。
ただ、機動隊という部署は他の部署よりも閉鎖的になりやすく先輩からの指導も厳しくなりがちな所ではあるので業務や人間関係のストレスは大きいのではと思います。
機動隊での事については別の記事でも取り上げていこうと考えていますので、今後ともよろしくお願い致します。