うつ病や適応障害を経験した発達障害者が復職後も働き続けるために必要なことについて

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はやぽん(@はやぽん)です。

今回の記事では私が発達障害の二次障害を発症して約2年の休職を経て復職してから直面した発達障害者が抱える仕事上の問題の改善点について紹介したいと思います。私は発達障害の特性によりケアレスミスを多発させたり、報・連・相がうまくできなかったり、上司からパワハラを受けたりといった経験を復職後に経験しています。復職後に障害特性とうまく付き合いながらも良好な人間関係を維持して長期間安定して働くためには、課題や問題点が多くあると私は感じています。
課題というのは発達障害特性からくるコミュニケーション上の問題や、ミスやもの忘れ、ケアレスミスを予防するための対策の立て方を自分自身で分析して考えなければならない事です。今回私は、適応障害による二次障害を克服して元の一般就労の職場に復帰した発達障害当事者として感じている「発達障害者が復職後も障害特性とうまく付き合いながら安定的に長期間働くために大事だと感じていること」について紹介していきます。この記事を読むと発達障害を持つ人が安定的に働き続けることができる対策のヒントを手に入れることができます。

発達障害の特性は治らない、うまく付き合うということが重要

私は、職場内での同僚や上司との人間関係でつまづいた事がきっかけで抑うつ症状を発症し、適応障害の診断を受けて休職しました。

私は発達障害の診断を休職後に受けるまで、親を含め、親しい友人、妻など周囲の人たちも発達障害があることに気が付きませんでした。
生まれてから34年間、私の発達障害は見過されてきました。
忙しい部署に配属され、今までにない、「苦手な事」「できないこと」に直面し、休職したことで発達障害だと分かりました。

私は発達障害の診断を受けた後、しばらくは自分が「障害者」として今後の人生を生きていかなければならないのかというショックがありました。
自身の障害を認めて受け入れるまでには葛藤や苦しみを伴い、辛い期間(この葛藤を乗り越えるのに約2年間を要しました)を過ごしました。しかし、家族や周りの人に支えられながら、「障害があってもまあ、いいか」
とありのままの自分を徐々に受け入れることができるようになってきました。

障害を受容出ていない状態で復帰訓練に臨み、私は1回目の復帰訓練は失敗しています。

なので、1回目の失敗の反省を活かし、リワークに通い、自身の休職した原因やストレスについて分析を行ったことで再発防止策を立て、復職することができました。

うつの症状や適応障害については治すことができましたが、発達障害の特性については治すことができないため、復職にあたっては障害とうまく付き合っていく必要がありました。
発達障害とは、脳の発達がアンバランスなため、周囲の人間とのコミュニケーションがうまく取れなかったり、不注意によるミスや忘れ物が多い等の課題や問題が生まれやすいです。
治ることのない障害をもちながらも精神を安定させてどのようにしたら仕事を続けられるか。
これが復職する際の最大の心配事でした。社会復帰するにあたっては自分自身で発達障害の特性を乗り越えるための自助努力が必要でした。発達障害は障害での困り具合が周囲から目に見えずらいため、復職の際に職場に対して、『発達障害』であることを公表し、合理的配慮と理解を求めました。

復職への壁1・合理的配慮と理解を職場に求める

自己理解と障害受容が必須

休職中は発達障害のことを色々調べ、発達障害にはどうやら「才能」とか「強み」と言えるような特性があるらしいということがわかり、藁にもすがる思いで自分の「武器になる強み」を探すためにリワークに通ったり、自分で本を読んで研究をするようになりました。配慮を求めるためにはまず、自分自身で障害の特性を把握し、その上で特性に対し、自分自身でどう対処するべきか整理している必要があります。そのためには人に話したくない障害のネガティブな特性を上司や職場に相談できるくらいには自分の障害特性を受け入れて把握できていないといけないのです。私がこれが一番難しいと思いますし、正直私自身もまだまだ特性を受け入れ切れていません。しかし、復職を成功させて長期間、精神症状を発症せずに安定して働くためには、自分の弱い所や見たくない短所の特性についても分析、理解してうまくコントロールしなければならないのです。
私は特性をコントロールするために今でもADHD治療薬を服用しながら仕事に就いています。
※障害を受け入れることについては「障害の受容と生きずらさについて」をお読みください。ADHDの特性の理解と特性の対処方法を取らなければ、それがリスクとなりせっかく治った適応障害も再発する可能性が将来出てきてしまいます。
私は2021年の8月に復職をして、この記事を書いている3月現在約7か月適応障害を再発せずに勤務ができていますが、職場では、ADHD特性によりケアレスミスや物忘れが激しいため、それらを防ぐために自分でできる対処法はないか、日々工夫をしなければならないので、毎日、大きなストレスを感じています。それでも適応障害を再発しないで半年以上過ごしてこれているのは触れたくなかった短所や障害特性に真剣に向き合って受け入れてきたからなんだなと思います。

信頼しているリワークの先生と職場に伝える内容を相談

私が通っていたクリニックのリワークの先生(精神保健福祉士の資格を持つ相談スタッフ)は私が週4日リワークに通院していたので、私の治療状況や得意なことや苦手なことを詳しく把握していました。私のことを本当に理解してくれていて、とても信頼しています。
※リワークについては「発達障害の私が復職するために取り組んだプログラム」をお読みください。復職時、私が職場側に配慮事項を伝える際にも、リワークの先生からのアドバイスを元に伝えました。配慮を求めるために事前準備として、仕事上やコミュニケーションを取る上で抱える困難さや自分自身でできる困難への対処方法、求めたい配慮事項についてまとめました。発達障害(ADHD)を抱えている私の場合であれば、

  • どのような仕事や場面でADHDの特性が目立ってしまい困るのか
  • 自己で対処できる方法はないか
  • 自分一人だけの工夫や努力で対処できないものについては職場にどのような対応や配慮をしてもらえれば解決できるのか

を検討して、それを産業医や上司に伝え、自分の状況を把握してもらいました。自分ではどのような工夫をしているかの対策方法を伝えた上で、自分一人の努力だけでは解決できない課題に対して初めて配慮を求めることができます。

復職への壁2・発達障害に理解のない上司

発達障害者が復職をして社会復帰するには、乗り超える必要のあるハードルが、障害を持っていない人よりも高いのではないかと思っています。なぜなら、発達障害を持っていると、その特性をもっているが故にトラブルが多いからです。

  • 急ぎの資料作成を頼んだのに妙な所にこだわって期限が過ぎても全く進んでいない
  • 大事な会議の集合時間に遅刻する
  • 電話を受けながら要件や相手先のメモができない

これは復職後に私がやらかしてしまったミスの1例です。発達障害の特性を知らずに、不得意な仕事を与えられた場合、期待通りの成果を出すことが非常に難しいので

同僚
同僚

使えない奴!

こんな簡単な仕事もできないのか!!

などのマイナスな評価を受けてしまいます。復職後、発達障害の特性を理解できない上司にあたり、

パワハラ上司
パワハラ上司

怠けてるのか、給料泥棒だな。

甘えているだけだ!

努力しない言い訳をするな!

と、さんざんなことを毎日、毎日、言われ続けてきました。人格否定を伴う退職勧奨をされたり、提出した書類を自席に投げつけられ、「こんな簡単な事もできないのか」と怒鳴りつけられたりしてきました。自分では振られた仕事が期限通りにできなかったり、簡単な書類を何度も間違えたり、忘れ物や指示を忘れてしまったりする理由は、はっきりわかっているのですが、発達障害に全く理解のない上司にその理由を伝えても全く理解されず、上記のような反応が返ってきます。
理解のない上司にどう特性を伝えて最大限の配慮をしてもらえるか、相当悩みました。いろいろ試行錯誤した結果、「口頭で伝えても理解してもらえない」という結論に達しました。なぜ口頭でうまく伝えられないのか、それは私が萎縮した相手に対して頭が何も回らず、何も言葉として出てこないからです。このことにやっと気づき、自分の特性、今まで言われ続けたひどい言葉について医師にも相談していること、医師からの助言、などについて文書として上司に提出しました。これがきっかけでだいぶ上司は私に対して今までのようにひどいことを言う頻度は落ちました。ゼロではないです(笑)これ以降、何か誤解をされたと思った時、これを伝えないといけないと思ったときは文書で提出するようにしました。これはかなりの効き目がありました。パワハラについての詳細については今後、記事にしていきたいと思います。パワハラでつらい思いをしている時、心の支えになっていたのがリワークの先生が掛けてくれた言葉です。
「はーちゃんさんは得意と不得意の差が激しくて職場の上司からの立場から見たら、はーちゃんさんの短所や弱みの部分があまりにも目立って見えてしまってせっかくの強みを見出す事ができないんだよね。はーちゃんさんは長所や短所も含めて一人の人間なんだよ。
人のほんの一部分だけを見て評価する人間の意見を真に受けて落ち込んだり、責めてしまうと、はーちゃんさんのせっかく他の人には持っていない強みをうまく出せなくてすごくもったいなく感じるんだよ。
短所や弱みを改善したり修正するのにかける努力よりも、元々持っている強みを伸ばす伸ばすためにかける努力を比べたらどっちが楽で効率的だと思う?
そんな人の一部分しかみないで評価する人間は視野の狭い人だな~(笑)くらいにスルーして、職場でも発揮できる長所を見つけて伸ばしたらすごく仕事も伸びるんじゃないかな?
ミスをやらかしたりして一時的にへこんだら仕事終わりにでも相談しに来てね。
ストレスを溜めこまなくなるし、その話から何かヒントが出てくるかもしれないね。」
非常に心強いアドバイスでした。私がカフェに気晴らしに行くような感覚で相談に行けるのは先生が私を理解してくれていて、温かく迎えてくれるからです。一人では絶対に思いつかないような助言や意見に日々励まされているので、私はストレスを受けてもため込まないで毎日充実して過ごせています。

私

先生のこと好きになってもいいですか?

妻の許可は取ってあります(笑)

お互い妻子ある身ですけど(笑)

リワークの先生
リワークの先生

えっ。

気持ち悪いからやめてよ〜

と告白するほど先生のこと信頼してます。頼れる先生に出会えたこと、本当に感謝しかありません。

理解してくれる上司・同僚との出会い

理解してくれない上司がほとんどですが、理解してくれた上司・同僚との出会いがありました。私が復職後も精神的に安定して働き続けることができているのは私の復職を応援してくれる上司や同僚がいたからでした。私が復職した当初は発達障害という言葉もあまり知らなかったようですが、私が職場復帰するにあたって理解ある上司Aさんも自ら発達障害の症状や薬の事等を調べてくれていたみたいで私のを心配してくれていることが分かりそれが本当に嬉しかったです。私はADHDの特性により衝動性が強く、目についた仕事から次々と手を付け、やるべき仕事を後回しにしてしまったり、忘れてしまうということが復職してから度々あって困っていました。自分では優先してやるべき仕事があるのは分かっているはずなのに、何故か目に付いた仕事のことが気になり出して気が付いた時にはやるべき仕事を後回しにしてしまって期限が守れなかったりし、ひどく怒られたりもしました。私は中長期の仕事の段取りや計画を管理して行うことがものすごーく苦手です。私が物事を先延ばしにしたり、計画や段取りを管理することが苦手だという特性があると理解してくれていた理解ある上司Aさんが、苦手な事務作業から対人の受付、窓口業務に配置転換をするように上層部へ交渉してくれました。発達障害に理解ある上司Aさんは私に苦手な事務作業をさせるよりも(※私は話好きでおしゃべりな性格なので)対人業務をさせた方がストレスなくできるという理由を上層部にうまく伝えてくれていました。おかげで配置転換をさせてもらいました。そのおかげで今は安定して勤務をすることができています。今も困りごとがあった時、相談をし、とても信頼をしている理解ある上司Aさんです。私はパワハラ上司Bの前だと自分の考えをうまく伝えることができないため、上記にも書きましたが、自分の意見を伝えるために文書にして提出しました。

  • 自分が上司からひどい暴言を受けていてとても傷ついていること
  • 暴言の記録はメモで取っていて、それを医師に相談していること
  • 物事の段取りや優先順位をつける事が苦手なので受付等の対人業務が自分に合っていると医師から助言を受けていること

を文書にまとめて提出しました。このあたりからパワハラ上司Bのことを嫌っている人が職場にいることがわかり、私は味方になってくれそうな人を探しあてることができるようになってきました。

パワハラをする上司Bを好きな人はいないはず

表面上はパワハラ上司Bに従っているけど本心では嫌っている人は必ずいる

パワハラ上司Bを嫌いな人は私の味方になってくれる可能性がある

私の味方になってくれる人を探してその人に相談をして、さらに味方を増やそう

味方が増えれば悪者はパワハラ上司B一人だけになるという考えで過ごしてきました。見方を探そうって考えるようになってから、前向きになれました。前向きになれたことで、同僚と話をしていく中で、徐々に理解ある人・理解ない人の見分けが自分の中で分かるようになってきました。理解ある人には心を開き、積極的に自分からいろんな話をしていくようにしました。理解ない人には、淡々と必要最小限の会話にとどめ、傷つくことを言われたら、傷つかないように日記を書き、ストレスをため込まないようにしました。発達障害を抱えながら誰にも理解や配慮を得られずに仕事を続けることは非常に厳しいと思います。私はこの味方の増やし方と配慮の求め方の方法は休職中のリワークで学び、その知識を復職後の仕事で発揮する事ができました。リワークで学んだ事を仕事で発揮する事が出来たという報告を仕事帰りに行ける日はリワークに行くのですが、その話を聞いたリワークの先生や参加者の方もとても喜んでくれるし、私の話が今後のリワークの運営の参考になると感謝される事もありました。皆さんの役に立つことが出来る!それが本当に嬉しくて仕方ありません。

近くに相談できる人がいないとき「ここかる」が力になります

仕事で大きなミスをやらかしたり、それできつめに怒られて気分が落ち込んだ時は、以前通っていたリワークにひょっこりと顔を出し、カフェにしゃべりに行くような軽いノリで、リワークの先生や一緒に休職中にグループワークをやっていた仲間に、自分の失敗談や、やらかしエピソードをネタにして愚痴や相談を気軽にしに行っています。その日のストレスはその日の内に消化するように心掛けています。リワークに行けない日はtwitterで発達障害ネタをつぶやいたり、妻に相談してなるべく一人で悩みを抱え込まないように心掛けています。(その日のストレスは溜め込んだり、ごまかして自分一人でしまい込むのではなく、誰かに相談したり、日記を書く等で消化しましょうと休職中のリワークで教えてもらいましたので、毎日それだけは忘れずに実践しています。)私の場合は、たまたま近所の信頼できる診療内があり仕事の悩みやストレスなどは全て吐き出すことで発散することができていますが、近くに相談できる人がいない、信頼できるカウンセラーが近くにいないクリニックの先生と相性が合わないなでで相談して悩みを発散することが難しい状況の人もいらっしゃると思います。
気軽にいつでも人間関係の悩みや発達障害の特性でやらかしてしまったエピソードを聞いてもらってアドバイスしてくれる人がいればいいのにな……
と困っている人に紹介したいのがオンラインカウンセリングサービスの「ここかる」です。
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なぜこんなにも安く相談ができるのか、「ここかる」の仕組みや使い方については関連ブログを下に載せているのでこちらをお読みください

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最後に

私が対策してきたのと全く同じ対処方法が他の当事者に通用しないのが発達障害の向き合い方で一番難しいところです。私は上司や主治医、家族等、周りの協力者の力を借りながらも、自分自身の特性に見合った「自分の取り扱い説明書」を作り、それを活用することが出来れば復職後も長く働くことができると思い、実践中です。

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この記事を書いた人

このブログを運営しております、「はーちゃん」です。会社の人間関係が原因で、うつ状態になり、休職。休職中に発達障害(ADHD)と診断されました。2年半の休職を経て元の部署に復帰しました。私と同じような境遇で悩んでいる方、悩んでいる方の友人や家族の方などに、少しでも有益な情報発信をしていければと思います。

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